「茶を飲んでは煙草をふかし、煙草をふかしては茶を飲んでいる」
夏目漱石「三四郎」
「Fair is foul and foul is fair」(いいは悪いで、悪いはいい)
シェイクスピア「マクベス」
【キアスマス】
文節や文章などをABBAのように反転させる方法をキアスマス(カイアズマス・交差配列法)と言います。ABの例は最小単位のものですが、このように言葉を反転させて繰り返しながら、読者に状況を効果的にイメージさせることに成功しています。さらにABCCBAというように、いくらでも複雑になります。さらに、真ん中に中心点になるXを置いてABCXCBAというかたちで定型をなす場合もあります。
これらが、詩の中で複数の行数で行われる時はどうなるでしょうか。例えば4行の詩があるとすると、1行と4行が、2行と3行がそれぞれ一対になります。反転したパラレルになるわけです。このカイアズマスがもたらす反転パラレルは短文だけでなく、行や幾つかのまとまった段落の対置関係にも使われたりします。奇数行や奇数のまとまりになって、一番真ん中の行やまとまりが、折り返し点になるような構成になるのです。
C.創世記7~8章 ノアの洪水
1.7日間洪水を待つ(7:4)
2.動物とともに箱船に入る(7:7~15)
3.箱船の扉を閉める(7:16)
4.40日の洪水(7:17)
5.箱船浮かび上がる(7:18)
6.山々まで覆う(7:19)
7.150日間増え続ける(7:24)
X.神はノアたちを心に留めておられた(8:1)
7.150日の終わりに減り始め(8:3)
6.山々の頂が現われ(8:5)
5.箱船アララテ山頂へ(8:7)
4.40日が過ぎ(8:6)
3.ノアは扉を開いた(8:6)
2.カラスと鳩を放った(8:7~8)
1.さらに7日間水が退くのを待つ(8:10)
D.ルカの福音書1章のバプテスマのヨハネの受胎告知
1.ふたりは神の前に正しく戒めと定めを落ち度無く行っていた(6)
2.エリザベツは子が無く、ふたりとも年をとっていた(7)
3.ザカリヤは、当番で祭司の務めをしていた(8)
4.くじを引いたところ、神殿にはいって香をたくことになった(9)
5.香をたく間、大勢の民は、外で祈っていた(10)
6.主の使いが現われ香壇の右に立った(11)
7.ザカリヤは不安を覚え恐怖に襲われた(12)
X.御使いの受胎告知(13~17)
7.ザカリヤは御使いを疑った(18)
6.ガブリエルが、主の命だと告げ、
信じないから、誕生まで話せなくすると言われる(19~20)
5.香ををたくザカリヤが暇取るので、人々は外で不思議がった(21)
4.聖所から出たザカリヤは、口がきけなくなった(22)
3.ザカリヤは、祭司の勤めの期間を終え、家に帰った(23)
2.エリザベツは身ごもり、5ヶ月引きこもっていた(24)
1.エリザベツは、主が自分に心をかけて下さったことを述べた(25)
E.ローマ2:6~11
1.神は、ひとりひとりに、その人の行ないに従って報いをお与えにな ります(6)
2.忍耐をもって善を行ない、栄光と誉れと不滅のものとを求める者には、永遠 のいのちを与え(7)
×党派心(自己中心)を持ち、真理に従わないで不義に従う者には、怒 りと憤りを下されるのです(8)
×患難と苦悩とは、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、悪を行なうす べての者の上に下り(9)
2.栄光と誉れと平和は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、善を行なうすべての 者の上にあります(10)
1.神にはえこひいきなどはないからです(11)